野良猫を迎える方法-4(家に連れてきた後のこと。食事量やトイレの覚えさせ方、お風呂のことなど)

野良猫の迎え方

前回まで、野良猫の迎え方ということで3回にわたり心構えや野良猫の懐かせ方、捕獲の仕方、家に迎える為に必要な準備などを紹介させていただきました。

まだ読まれてない方は先にご覧になって下さい。

今回はいよいよ家に連れてきてからの話です。

外で暮らしていた時に、十分懐いてくれていた相手であっても、はじめての場所に連れて来られたら警戒しないわけがありません。

大人の野良猫を迎える場合はなおさら慣れるのに時間がかかると思ってください。

とら吉とまだらの状態はどんなだったか、当時のことを思い出しながら紹介していきたいと思います。

野良猫の迎え方(家に連れて来てからのこと)

家に連れてきたら。

ケージを2つ並べ、それぞれの中にトイレ、寝床、ごはん、水を用意しておいた。

もともとふたりは外にいた時に一緒にごはんを食べていた間柄だったのですが、念のため別々のケージに入れました。周りが気になるといけないので、布をかぶせて暗くすることで、少しでも落ち着けるようにしました。

数日は、夜中じゅう鳴きっぱなしだった

まだらは家に連れてくる前から左目のことで病院に2週間以上いたので、不安はもちろんあったとは思いますが、建物の中にいる状態、ケージの中にいる状態というものにすでに慣れていたように感じます。

一方とら吉は、そのどちらも初めてで、自分の置かれている状況を理解出来ていない様子でした。

すごく不安そうな、寂しそうな声でひっきりなしに鳴いていました。夜中じゅう鳴き続けていました。

別々のケージに入れたけど…

自作したケージだったこともあり、扉の留め具が緩かったため脱走…。気づいたらくっついて一緒に寝ていました。

一緒にいた方が安心出来るのかなと思い、自由に動けるようにしてあげました。うちに来て2日目の話です。

早くも2日目にして、大きな部屋サイズのケージ(6畳の猫部屋)で暮らすような感じになってしまいました。

半年後、猫部屋以外も徐々に開放していった。

猫部屋は大きなケージの役割になっていたので、ドアは基本閉めっぱなしでした。

「ここは自分たちが安心できる場所である」と徐々に認識してくれるようになったので良かったのですが、閉鎖的な空間になってしまい、それ以外は安心できない場所になってしまいました。

ドアを開ける度にこちらに意識が集中して、私達にももっと慣れて欲しいと感じていました。

そこで、私達の気配にも慣れてもらえるように、扉を開放し、「この家全体が安心できる場所」になれるよう練習をしていきました。

あえて猫部屋に入れない

猫部屋のドアを開放して、他の部屋にも自由に行ける状態にしていったのは家に来て半年くらい経ってからだと思います。

それでも「猫部屋以外は居心地の悪い場所だ」というのがなかなか抜けてくれなかったので、この状態を継続していくことに疑問を感じていました。

そこで、一時的にあえて猫部屋を封鎖しました。数十分だけとかそんなレベルです。

そうして強制的に他の部屋で過ごさせるようにしていったことで、家全体に慣れていくことが出来ました。

現在では、猫部屋にいることよりも他の部屋で過ごす時間の方が多くなりました。

食事について。

朝晩2回に分けての食事を、フードの袋に記載された目安量であげていました。

生活環境が変わったことで、食欲がなくなる場合もありますし、お腹の調子が悪くなることもあります。

始めのうちはあまり干渉しすぎないようにして、程よい距離感で見守るように接してあげるのが良いと思います。

ごはんの量について

フードの袋に記載された通りの量をあげていたのですが、みるみる体重が増えてしまいました。

また、それが理由なのかは定かではないのですが、下痢をすることも多く、食事量の調整には苦労しました。

外で暮らしていた時と比べ、運動量が減っていたのも体重が増えた理由のひとつと言えると思います。

また、季節によっても、食事量に対しての体重の増え方に変化があるように思います。定期的な体重測定、食事量の調整は行っていった方がいいでしょう。

おやつについて

スキンシップの一つの方法として、おやつは有効な手段です。出来れば手であげていきたいところです。

始めは警戒して食べてくれない場合もありますが、試していっていただきたいです。

ただし、おやつの与えすぎは禁物です。必要な総カロリーの2割くらいまでにしてあげてください。

トイレの覚えさせ方。

もともと野良猫だった猫にトイレの場所を覚えさせるのは、すぐには上手くいかないかもしれません。

始めのうちは、粗相をしてしまうかもしれませんが、根気よく教えていきましょう。

猫の排泄物の匂いがついたものをトイレに入れてあげると覚えてくれやすいと思います。

また、何度も同じところで粗相をしてしまう場合は、その場所にトイレを移動してあげるというのも有効な手段だと思います。

あえて毛布はケージに入れなかった

「この子はトイレ覚えてくれないです」まだらが病院にいた時、先生から言われた言葉でした。

トイレではないところでしてしまう」と。

そこで私達は考えました。「トイレ以外でしたくなくなるような環境にすればいいんだ!」と。

始めのうち、ケージの中には毛布はあえて入れませんでした。

その方法が良かったのか、なんと、まだらもとら吉も一度でトイレを覚えてくれました

心配だったのは爪とぎ。

引っ越してきたばかりの家で、猫専用に部屋を用意していたものの、お互いのケージを行き来出来るようにした為、部屋の中も自由に動ける状態になってしまいました。

一番心配だったのは爪とぎです。

爪とぎは段ボール状のものを用意していましたが、賃貸物件だし、壁で研がれては困るので対策をしておく必要がありました。

壁を守る方法としては、壁紙の上に貼る爪とぎ防止シートや、腰壁のように貼れるシートや板などが有効です。

また、家で暮らす猫は、敵から身を守る心配がなくなる訳ですから鋭い爪というのも必要がなくなります。

家の中で怪我をするリスク(カーテンに爪を引っかけたり)を減らすためにも定期的な爪切りをしてあげましょう。

ガリガリされては困るので…

とりあえずはすぐに壁を何かで覆う必要があったので、近所の百円均一のお店で模造紙を購入しました。

ガリガリ爪を研ぎそうな場所だけ簡易的にこの模造紙を張り付けて様子を見ることに。

1ヵ月後には模造紙はビリビリに破かれ遊ばれてしまいましたが、爪を研ぐことは一度もありませんでした。

爪とぎ段ボールをちゃんと利用してくれていたし、模造紙を張らなくても壁で研ぐ心配がないことが分かったので、それからは壁は何も対策をしていません。

ちなみに現在は、爪とぎ段ボールと、キャットタワーの柱に付いている爪とぎを利用しています。

お風呂について。

ずっと外で暮らしていたわけですから、お風呂に入れて綺麗にしてあげたいですよね。

しかし、家に連れてきて間もないころは、ストレス以外の何ものでもありません。

お風呂やシャンプーは身体に負担もかかりますから、ある程度慣れてからの方が良いと思います。

それでもやっぱり気になる場合は…

我が家の場合は、泡で出るタイプの水のいらないペットシャンプーを購入し、拭いてあげました。

これは、水で洗い流す必要がなく、拭き取るタイプのものです。

パッケージには「舐めても安心」と記載もあり、身体に負担なく清潔にしてあげられるので重宝しました。現在もリピートして利用しています。

ちなみに、お風呂に初めて入れてあげたのは、家猫になってから1年近くたってからです。天気の良い暖かな日を狙ってお風呂デビューをさせました。

家族の一員として暮らす。

連れてきて2日後のとら吉とまだらと、自作のケージ


上の写真は家猫になって2日後のとら吉とまだらです。

落ち着いて寝ているように見えますが、いつもこうだった訳ではありません。

家に来て数か月は、私達が猫部屋に入るたびにこちらの様子をじっと伺っていました。ケージの奥でじっとして、縮こまってしまうのです。引っ張り出そうもんなら、まだらにシャーっと威嚇をされていました(汗)

時間が経つにつれ部屋に入っても気にしないで居てくれるようになり、いつしか無防備な格好で寝られるようになっていきました。

ですが、今現在もまだ完全に慣れてくれた訳ではないのです…。

それでも少しずつ現在進行形で変化し続けてくれているように感じています。

その理由としては、猫たちのちょっとした仕草や行動の中のメッセージに気づいてあげられることが多くなってきたからではないかと思っています。

そしてそのメッセージに気づいた時には、愛情をもって態度や行動、言葉で応えてあげるようにしています。

一番大切なことは、猫も人間と同じ家族の一員として愛情をもって共に暮らすということです。

何か問題が起きた時、仕方ないとあきらめるのではなく、寄り添って考えてあげるということです。

野良猫を迎えるということは、ペットショップにいる猫ちゃんを迎えるよりもいろいろな点で大変だと感じるかもしれません。

また、子猫を迎えるか、大人の猫を迎えるかによっても、懐くまでの時間が大きく変わると思いますし、猫たちそれぞれの育った環境や個々の性格によって、同じように懐いてくれなかったり、こちらの思い通りにいかなくて、不満が出てくることがあるかもしれません。

しかし、それは猫のせいではなく、同じ家で暮らす我々の接し方に問題がある場合もあります。

猫たちは何かしらのメッセージを送ってくれていることが多いです。

そのメッセージに気づいてあげられた時、きっとその先に新たな変化が見られるようになるでしょう。

おしまい。

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